おいらーくブログ

31. 5月 2021 · 「何もしたくない」という方へのアプローチ はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

今回は、おじさんのブログに初めて投稿していただいた

てんやわんや本町 介護員 水谷さんです。

利用者の後ろ姿に シャイな方であるけれども、「目的があると、頑張れる」「ゴールを示してくれると頑張れる」と言う

強い意思も強烈に感じるのは、おじさんだけでしょうか。

 

てんやわんや本町では、2週間に1度、業務を終えたスタッフが集まりミーティングを行っています。対応が難しいケースへの具体的なアプローチの方法を考えることも度々あり、職員の知識や経験を研鑽する非常に良い場となっております。

 

今回は、先日のミーティングでアプローチ方法を検討したTさんをご紹介します。

Tさんは一度てんやわんや本町に体験に来られたのですが、その時は、「何もしたくない」と我々職員の声掛けにもあまり応じて下さらず、結局、何もせず、帰られてしまいました。

家族の勧めもあり、利用される事になったのですが、我々スタッフからの活動の提案にも今一つ乗り気ではなく、ぼんやりと座っている事が多くなっていました。そこでスタッフミーティングで話合いを行いました。

 

「何かここに来る楽しみを見つけてもらえないだろうか」

「個別に活動を提供する内容を新たに構築出来ないだろうか」

 

Tさんのニーズを把握し、「好きな事」「「興味がある事」を中心に、個別に活動を提供する事と、既存のプログラムの有効活用をして行く事になりました。

 

デイサービスに到着すると、その日どの様に過ごすかをご自分で選んで頂き、予定ボードにプログラムの札を貼っていただきます。ご利用者様の個別性、自己選択、自己決定の機会を意図的に行って頂く為です。

Tさんにこの朝の予定立てを、職員が付き添いの元、立位で行って頂くよう声掛けをしました。そして、下肢筋力強化の為、平行棒を使った歩行訓練を提案させて頂きました。

すると、「目的があると、頑張れる」「ゴールを示してくれると頑張れる」と積極的に職員の声掛けに応じて頂ける様になり、この歩行訓練の他にも、マシーンを使った運動・段差昇降にも意欲的に取り組まれる様になりました。又、徐々に職員とも打ち解け、色々な話を聞かせて頂ける様になり、我々スタッフは、そこで初めてTさんは、「何もしたくない」のではなく自分の思いをストレートに表す事があまり出来ない、非常にシャイな方なのだなと気付く事が出来ました。

今では、身体を動かすだけでは無く、おいらーく認定の漢字検定のプリント、事務仕事にも熱心に取り組まれています。

 

30. 4月 2021 · デイサービスてんやわんや本町の取り組みを定期的に報告 はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

今年度も、またデイサービスてんやわんや本町の取り組みを定期的に報告していきます。

今回は、先日私が実家を訪問した時に手に入れた、レコードをご紹介します。まだ、具体的に何かをアプローチしたわけではないので結果は伴っておりません。ご利用者様の目に入る場所に設置しどのくらい興味を示されるかという段階で、レコードを1枚ずつ見て曲目を確認される方が数名といったところです。まずは、その方と一緒にレコードを聴くところから始めようと思っています。

その2

てんやわんや本町のリハビリの一つに施設内通貨の活用があります。この施設内通貨は今まで要介護度の高い方については、あまり活用していませんでした。そんな中、おいらーく主催の宝くじを購入するという目的で施設内通貨を稼ぐことに意欲を燃やし健康トリムを頑張ろうとしている利用者さんがおります。

健康トリムとは施設内に60種類以上ある職員手作りのリハビリ器具です。その健康トリムを行うと施設内通貨を稼ぐことが出来ます。

【健康トリムイメージ】

 

【施設内通貨】

この方が行える健康トリムはいろいろ制限があって数種類しかなく不完全燃焼な状態です。そこで職員は、その方のできそうな動作を探し新たな健康トリム作ることにしました。

現在その健康トリムは製作段階で完成品をお見せすることはできませんが、3cmの立方体(木製)のパズルや、積み上げて何かを作るみたいな物を考えています。その方のニーズに合わせて変化させ、意欲が途切れないように対応していきたいと考えています。

 

てんやわんや本町 岸本 英明

 

31. 3月 2021 · 帰宅願望への取り組み ~Kさんに役割を担って頂く はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

デイサービスセンターてんやわんや本町  四反田 将明 さんからの報告です!

帰宅願望とは、認知症のある利用者様がデイサービスを利用中に「帰りたい」と帰宅の要求を我々職員や他利用者に頻繁にしたり、実際に帰宅をしようと玄関のある一階に降り、入り口を開け外に出て行こうとする事です。外にお一人で出られ、戻れなくなり行方不明になってしまっては大変です。

自宅に帰りたいとか、生まれ育った故郷に帰りたいと思う事は誰でも普段から自然にある事です。それ故、「帰りたい」と思う事自体は決して問題ではないはずです。

誰でも、普段あまり馴染みの無い場所に居たり、知らない人が周りに沢山居ると不安になり、その場から逃げ出したいと思う事があります。この場所が何となく居心地が悪いと思えば、自分が居心地の良い場所へ帰ろうとする事は、当然の事と思われます。

また、帰りたいと思う場所は、自宅だけとは限らず、生まれ育った故郷や、親しくしていた家族や兄弟かもしれません。

大切なことは、「帰りたい」という要求や外に出ていこうとするのは、本人なりの理由があり、その理由は人によって様々であるという事です。

「帰りたい」という言葉の裏側にある本当の利用者様の思いを理解し、それに適格に対応する事が、我々デイサービスで働く介護員には大切です。

Kさんは、昨年から本町を利用され、当初は他利用者様と大勢でカラオケ等を楽しまれていたのですが、今年に入ってから、頻繁に「帰りたい」「もう帰る」とジャンバーを着て外靴に履き替え、出口のある一階に向かわれる事が多くなりました。

そこで、我々てんやわんや本町では、スタッフミーティングで職員が皆、Kさんの帰宅願望についての話し合いをし、Kさんに対し新しいアプローチを試みる事にしました。

ミーティングで話合われたのは、Kさんの「帰りたい」という思いや外に出ようとする行動を、その都度声掛けして無くして行く事だけではなく、「帰りたい」原因や理由を探り、原因に応じた対応を行うことによって、安心して居心地良くデイサービスでの一日を過ごして頂く事でした。

デイサービスの取り組みとしては、

  1. 帰宅願望を未然に防ぐ取り組み
  2. 帰宅願望が出た際の取り組み

というのが一般的です。

Kさんは、以前町内会の世話役としてで大活躍されていたそうです。

夢のみずうみ村では、様々なプログラムを用意しており、その中に、利用者様に「仕事」を依頼し、出来る事はご自身で積極的にやって頂く「内職リハビリ」という物があります。

そこでKさんに様々な「仕事」とお願いし、Kさんにデイサービスの中で「役割」を担って頂く事にしました。

それによって、Kさんに「自分はまだまだやれる」と自信を取り戻して頂き、デイサービスの中での居心地の悪さを取り除く事が出来ればと考えました。

「帰りたい」との思いが出ても、場面を切り替え、集中して作業している間は、時間を忘れる事が出来る様に、そしていつの間にか帰る時間が来てしまったと思えるくらい楽しく充実して過ごして頂ける様工夫しました。場合によっては、一対一での対応もしました。

おやつ作り この日は酒粕パンでした。

おやつ配りもKさんの役割です。

 

「仕事」の合間に「巡礼」をするKさん

他利用者様と共に、昼食の準備をされる

食器の片づけもして頂いています。

全ての「仕事」を終え、お好きなコーヒーを楽しまれるKさん

 

この様な新しい試みにより、徐々にではありますが、落ち着いてデイサービスで一日を過ごして頂ける様になりました。

コロナの影響で我々が提供出来るサービスも色々と狭まってしまっていますが、てんやわんや本町では職員一人一人が利用者様の立場になってお話に耳を傾け、連携して利用者様の満足度を高めて行きたいと思います。