今回の寄稿者は、デイサービスセンター夢のみずうみ村てんやわんや本町:花村さん
日々 利用者さんの状態が違い 職員達も
今 感じているであろう 利用者さんの
「わからない」が知りたい と格闘しているのでしょうか
「わからない」が知りたい
本町をご利用のI様は認知症を患っており、御自分から活動をする事はほとんどなく
職員が活動を促すと拒否なく行ってくれました。洗濯物を干したり、洗い物や健康トリムをされたり笑顔が素敵なI様。しかし今10月頃より少しずつ表情が険しい時が多くなり、活動を促すも集中力が続かず途中で止めてしまう姿が見られ「やりたくない」と拒否が多くなり、表情が険しい時はこのように徘徊され「わからない」と聞かれるようになりました。
ある日活動に参加せずにいた時、私が書類を折り封筒詰めをしていると「大変そうだね」と
話しかけてくれました。「どんな仕事も大変ですよね」と声を掛けると「こういう仕事はまめな人じゃないと続かない」とI様が興味を示してくれました。
「まめじゃないから大変です」と伝えると「僕もやろうか?」とⅠ様から活動へ。
私が三つ折りにしていると半分に紙を折ってくれていたI様から「三つ折りにした方がいいですか?」と私がやっている姿を見て御自分の作業の違いに気付いてくれたのです。
「では、三つ折りでお願いします」と伝えると封筒に入れやすい大きさに
折って封筒に詰める作業もされました。活動中は集中しており「やりたくない」と
言った言葉も聞かれず「ありがとうございます」と伝えると笑顔で「いつでも言って」と
おっしゃってくれました。
そこでI様が興味を持つ活動を探り、アプローチをして笑顔で楽しい時間を多く過ごしてもらいたいと思いました。その日、その時の声や表情を読み取り活動を促してみます。
まずはご利用者様の情報を見直して見ると囲碁をやると情報があり促してみました。
しばらくされてなかった囲碁ですが、ルールも覚えておられ10分程実施されましたが、最後まで行えず、ご自分から途中で片付けてしまい終了。
以前参加して出来ていたジェンガも促しましたが「やらない」と。
集団でボール投げに参加。最初は笑顔で行っていましたが途中から席を離れてしまいました。
今日は気分が乗らないようで中々笑顔が引き出せず「わからない」と発言が多く聞かれ
ました。
別な日も同じようにアプローチをしてみるとジェンガに参加され集中して崩さないように
慎重に行っております。
この日は初めてのトランプを促してみました。ルールが解らず、誰の札を取っていいかわかない様子でしたが、拒否なく席を立ち上がらずに最後まで参加されていました。
昼食後台車で食器を運ぶお仕事も笑顔で行ってくれました。
その後は喫茶でココアを飲みながら素敵な笑顔が見られました。
アプローチをしていて気づいた事は、最近はコロナの蔓延と共にマスクが手放せない状況ですが、着用している事でⅠ様は表情が見えず不安に感じてしまっているのかもしれません。
I様は生きがい東雁来もご利用されており、最近表情が険しい時が増えたと本町と同じ
様子が見られているようですが、東雁来では健康トリムやふまネット運動等をして過ごされているそうです。
今後も職員間で情報共有を図り、その日、その時で差がありますが、「わからない」が減っていき、Ⅰ様が笑顔で過ごして頂ける時間を増やせるように、これからも続けてアプローチをして認知症の方にも安心出来る環境を作りと楽しめる居場所を提供したいと思いました。
花村さん 貴女の文章は なるべく感情移入することなくたんたんと記載されれいるのですけど、
そこには利用者さんに対する「わからない」を少しでも減らしてあげたいと云う 切なる想いが感じる報告でした!