おいらーくブログ

30. 3月 2020 · 五感で楽しむ桃の節句 はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

デイサービスセンターてんやわんや夢 鈴木 健士さんのDTへの取り組み報告を!

「五感で楽しむ桃の節句」と題して雛壇への雛人形の飾りつけと桜餅作りを行いました。

室内は日本家屋にこだわり装飾。雛飾りは結婚式の様子を表しているため内掛けを用意、従来結婚式は夜に行われていたため、「夜」を意識した空間を創りました。

事前に参加希望者を募集し、雛人形飾りか桜餅作りかを選んでもらいました。桜餅作りには10名の利用者さんが参加し、雛飾りには6名の利用者さんが参加してくれました。その中でも今回は雛飾りへ参加したTさんに注目しました。Tさんは93歳の女性で、普段から喜怒哀楽が表情に表れることがほとんどなく、自主的に活動に参加することがありません。子供のころ、「貧乏で触ったこともない・・・」という雛人形に触れることでどのような表情の変化が見られるか、というところに焦点を当てました。

当日は、時間前から雛祭りの音楽をかけ、お香を焚き、音と匂いで雰囲気を作っておきました。雛人形を飾る前に、たくさんの羽織や道行からお好きなものを1枚チョイスしてもらいます。Tさんにも選んでもらいましたがその時はまだ表情が堅いようでした。

はじめに5分ほど雛祭りの映像で気分を盛り上げてから雛人形飾りのスタート!参加利用者さんはお好きな雛人形を手にとり、楽しそうに飾っていきます。Tさんも職員と一緒に雛人形を手にとり、徐々に表情が和らいでいくのが見てとれます。雛壇完成後は1人1人花嫁の内掛けをはおり、口紅を塗って記念撮影。最後に出来上がったばかりの桜餅と、抹茶を点れ、職員も含めみんなでいただきました。その時にはTさんも最高の笑顔となり、「こういうのをたまにお願いします」というはっきりとしたお言葉もありました。また、特別企画としてTさんへ雛祭り前と雛祭り後に、雛飾りの塗り絵をしていただきました。もともと塗り絵がお好きだったこともあり、劇的な変化があったわけではありませんでしたが、雛祭り後の方が色使いが細かく、時間をかけ、そして何よりも集中して真剣に取り組まれていました。後日来所された時には雛祭りのことは「そんなことしたかしら・・」とあまり覚えていないようでした。しかし、自然と顔がほころび、潜在的に楽しかった記憶が残っているのだと感じました。他の利用者さんにとってもいい刺激を与えられたと思います。今回の雛祭りDTでの経験を生かし、次回はよりいいものを創れるように、DTワーカーとして成長していきたいと意を新たにしています。

ダイバジョナルセラピー協会理事長の芹澤先生がオーストラリアでの紹介発表する記事ができたそうです。

顔と名前を出すことについては、ご家族から許可を得ているとのことですが、)

 

デイサービスセンターてんやわんや夢 早川センター長が和訳してくださいました!

Doll Festival in Day Care Centre OIRAKU

Takako Serizawa/DTAJ

コロナウイルスによる憂鬱な空気を吹き飛ばす日本のDTセッションを紹介したいと思います。熱心なDTワーカーを数多く輩出している北海道の「おいらーく」という高齢者介護法人で実施されました。

 

日本では、3月3日に「ひなまつり」と呼ばれる、女の子のための人形フェスティバルがあります。ひなまつりは1000年以上続く伝統的な行事です。若い女の子がいる家族がひな人形を飾ります。「ひな」は小さくてかわいいと言う意味で、「まつり」はフェスティバルを意味します。

ひな人形は貴族の結婚式を表しています。

近年、ひな人形は多くの老人介護施設でも展示されるようになり、見るだけでもワクワクさせてくれます。しかし、今回のDTの取り組み方法は異なります。参加者が自発的に活動をおこなえる様にDT Worker鈴木健士氏は以下の計画をたてました。

 

「五感で楽しむひなまつり」

視覚:和室を設置し、ひな人形や結婚式の打掛けの着物を展示

聴覚:日本の伝統の音楽・楽器

嗅覚:お香

味覚:桜餅

触覚:親としての思いを込めた人形に触れた手の感覚

 

このセッションには16人の参加者がおり、ケンジは1人の女性参加者であるキミコに焦点をあてました。彼女は活動的ではなく、普段はあまり感情表現が無いので、ケンジは、ひなまつりに参加することで何かしらの変化が生まれないかと期待していました。

検証のため、ケンジはキミコに雛祭り参加の前後「ぬりえ」に色を塗るように頼みました。

 

この日、キミコは自主的にひな人形を自分の手で飾ったり、自身の顔の化粧をしたり、結婚式の打掛けを着たりと、嬉しそうに笑っていました。

彼女の塗り絵の色は、雛祭りの前と後で明らかに違いが見られました。参加後は色のバラエティーが増え、色付けも繊細で丁寧でした。

 

このDTセッションは、キミコを幸せにするだけでなく、ケンジにも自信を与え「DTワーカーとしてどんどん成長したいです!」と語っています。

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