今回は、看取りについての研修報告です。
「施設での看取りについて」
講師:元町ひまわり消化器内科・腎透析クリニック 池○Dr
場所:元町ひまわり消化器内科・腎透析クリニック ラウンジ
時間:18時30分~19時30分
参加者:63名 報告者 ケアプラン銭函 菅○
- 多死社会の現状:高齢化の進行により今後死者数が増加し、2040年には現在の約1.5倍年間170万人の方が亡くなる時代が到来。
- 入院ベッド数の削減:現在日本では135万床⇒2025年までに115万床(20万床の削減)~軽度者や治療がない患者は在宅復帰させる方針(国)
- 現在の看取り状況:8割が病院・・・今後は在宅(自宅・施設)での看取りが増加と予測。
看取りとは・・「特別な用意や準備が要るわけではない。どれだけ患者・家族に寄り添えるか」一番重要な点である。
*最期にいい時間をご本人・ご家族に過ごしてもらうために
スタッフ(介護士・ヘルパー・NS、リハビリ職、etc)
↓(患者さんの容態、気持ち、ご家族の思い、疲労度など) 連携や情報共有をする
主治医
(患者さんの予後、やりたいことのできる体力・気力の評価)
EX) 「願い叶え隊」松山たんぽぽクリニック:職員が一致団結してやりたいことの実現に協力
*自宅・施設における看取りで必要だと感じていること
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- 患者本人、患者家族への病状に関する十分な説明・理解、受容
- 患者本人・患者家族との人間関係構築
- 患者家族と関わるスタッフ間での情報共有の必要性
- 痛み・苦しみ・不穏への理解・対処法
・患者状態の観察(家族、施設職員)患者の日会館を可能な限り減らすのが目標
・薬物以外の対処:温罨法、冷罨法、体位の工夫、気分転換、マッサージ
・薬物による対処:経口剤、座薬、貼付剤、点滴
~情報の伝達は簡潔に、的確にする:介護スタッフから看護師、看護師から医師間の情報伝達は簡潔に、的確に行なう事。~
*看取り時の対応
臨死期におこるサインに注意し容態観察。ご本人、ご家族に不安を与えないように焦らず、かつ迅速な対応を心がける。(本人の安楽のためバイタルサイン測定は考慮する)
<救急車の要請=延命処置の意思表示> 救急車到着時に心配停止であれば警察介入になる。場合によっては検死(司法解剖)になってしまう。
看取りに関して強調してきたいこと:温かく送り出す気持ちで、患者・ご家族としっかり信頼関係を構築し患者の苦痛・痛みを軽減する方法や薬剤について勉強・経験をつむ事が重要
自宅・施設での看取りが特別でなくなる時代~医療関係者・介護職員がしっかり患者に寄り添い旅立ちのお手伝いをしていく。
事例・質問等
①う○○入居者さん~ターミナル期で看取り対応の方で疼痛の訴えが強く軽減するために救急車の要請をしたが看取りであるため救急隊から搬送を渋られた。疼痛緩和すればQOLも確保でき少しでも安楽した時間を送れたのでは?
池○先生から:疼痛緩和で薬剤を使いご本人が楽になるのであれば使うべきと考えます。痛みの排除は重要だと思います。
②え○ぼ○○の利用者さん~看取り時期にご家族から不安の声が聞かれたが、スタッフも対応の方法が良くわからず的確な回答ができない事があった。看取りの手順など共通認識できるマニュアルや冊子があればよいと感じます。
池○先生から:介護職でも看取りの経過を知識として持つことは重要。家族への説明もパンフレットやマニュアルがあるとやりやすい。豊生会でも作成する方向で考えています。
③疼痛緩和でモルヒネなど麻薬の使用に対し家族が拒否した場合~必要性を医師からも説明し理解してもらう。本人の安楽を考慮した対応をする。