1.「明日の記憶」という渡辺謙の映画がありました。主人公が若年性アルツハイマー病の告知を受け記憶が無くなっていくことに恐怖を覚えます。
この時に、主人公は「自分が自分でなくなることに不安と恐怖といらだち、それを受け入れなければならないせつなさと憤り」を感じ苦悩します。病状が進んでいけば、間違いなくその事さえ忘れてしまうのでしょうが、正気の自分が失われていく現実・・を受け止めることは思っているよりきついことと思います。
入居の方で、認知症です!と医師に言われて、自分はおかしいんだと言い始め、本当におかしな行動を取るようになった方がいました。
インフォームドコンセントという建前のもと、告知される医師は大勢います。
しかし告知された方は、認知症と言われると自分は頭がおかしいのだと受けとってしまい、あっという間に出来ていたことすらできなくなってしまいました。
まだ、考える余地を残している人に、診断での認知症の告知は、とても残酷に思います。
本当に事実だからと伝えなければならないのか・・告知に関する疑問です。
2.おじさんは、料理することが好きです。美味しく食べることに関心を持っておられま
す。料理は認知症の進行を抑える行為と、言われていますから、料理教室はいかがで
しょうか。
3.なったら・・も必要ですが、ならないための生き方を提案すること。
お洒落やお化粧、身だしなみなど、人を元気にする場、元気な人が利用できて、自分
を表現できる場、与えられたことばかりではなくこうしたいという発想が湧いてくる
ような場を、そしてそれが実現できる場を、作ることは出来ないのか考えましょう。
最後に、認知症の方は、いつも自分自身と戦っている気がします。
認知症は、脳の病気と言われるように、病んでいると思います。
当事者は、いつもその病気と闘っているのではないかと思えてなりません。